問題番号 : 102H30

72歳の女性。咳を主訴に来院した。3日前から咳が出るようになり,食欲も徐々に減退した。昨日はお茶を湯飲みに3杯飲んだが,食事はとれなかった。今朝からは寒気がして,身体が震えるという。意識は清明。体温38.2℃。脈拍96/分,整。血圧138/80 mmHg。皮膚はやや乾燥している。胸部右背面で吸気時のcoarse cracklesを聴取する。指導医と相談し,入院させて維持液1,500 mLを9時間かけて輸液することとした。輸液セットを輸液容器に接続した。輸液セットの包装紙の記載と輸液セットの模式図とを別に示す。
 点滴筒で1分間に滴下する設定数で正しいのはどれか。

正解
b
国試正答率
99%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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