問題番号 : 102G50

19歳の女性。以前から心疾患のため外来に通院していた。日常の動作はできるが階段や坂を上ると息苦しくなった。2年前に少量の喀血があった。1か月前に受診したときの現症は,身長157 cm,体重42 kg。軽度のチアノーゼとばち指とを認めた。Ⅱ音の亢進を認めたが,心雑音は聴取しなかった。呼吸音に異常を認めなかった。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しなかった。浮腫を認めなかった。この時の心電図(A)と胸部エックス線写真(B)とを別に示す。今朝,起床して洗顔をしている途中に倒れ,心肺停止状態で搬入された。蘇生術が行われたが死亡が確認された。
 診断はどれか。

正解
a
国試正答率
64%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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