問題番号 : 102D21

5歳の男児。心臓カテーテル検査を目的に入院した。正期正常分娩で出生した。1か月時の健康診査で心雑音を指摘され,その後は外来で半年に1度経過観察されていた。運動時に軽い呼吸困難を訴える。身長102cm,体重15kg。体温36.7℃。呼吸数24/分。脈拍84/分,整。血圧98/62mmHg。呼吸困難とチアノーゼとを認めない。胸骨左縁第2肋間を最強点とする3/6度の粗い収縮中期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。心臓カテーテル検査所見:主肺動脈圧22/10mmHg,右室圧75/10(拡張終期)mmHg,大動脈圧92/58mmHg,左室圧94/8(拡張終期)mmHg,Qp/Qs 1.0。右室造影写真側面像を別に示す。
 対応として適切なのはどれか。

正解
b
国試正答率
60%

画像診断
上画像参照。

 右室造影側面像である。肉柱の多い〈trabecul

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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