問題番号 : 102C28

本問は,102C28~29の連問の一部です。

 72歳の女性。息苦しさを主訴に来院した。
現病歴:2日前から発熱と全身倦怠感とを訴えていた。昨日の就寝時から息苦しさがひどくなり,よく眠れなかった。
既往歴:8年前から慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉を指摘されているが,治療は受けていない。
現 症:意識は清明。身長154cm,体重42kg。体温37.8℃。呼吸数24/分。脈拍108/分,整。血圧186/104mmHg。口唇にチアノーゼを認める。頸静脈の怒張を認める。心音に異常を認めない。呼吸音は減弱している。腹部は平坦,軟で,右肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾は触知しない。腹部に圧痛や抵抗はない。
 治療の緊急性の高さを示す症候はどれか。

正解
d
国試正答率
58%

Assessment
①72歳の女性,8年前から慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉を

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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