問題番号 : 102C21

55歳の男性。夜間,突然の呼吸困難のため搬入された。5年前に拡張型心筋症の診断を受けている。喘鳴が著明で泡沫状でピンク色の喀痰排出があった。マスクで酸素投与(6 L/分)を開始した。呼吸数23/分。脈拍124/分,整。血圧98/78mmHg。動脈血ガス分析:pH 7.28,PaO2 68Torr,PaCO2 52Torr。胸部エックス線写真は両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈する。
 まず投与するのはどれか。

正解
e
国試正答率
98%

Assessment
①夜間の突然の呼吸困難 ⇒ 発作性夜間呼吸困難
②拡張型

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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