問題番号 : 102B59

本問は,102B57~59の連問の一部です。

 60歳の男性。歩行困難とめまいのため搬入された。
現病歴:本日の午後1時,会議で立って発言中に突然めまいと嘔吐とが出現し,ふらふらして,まっすぐ立っていられなくなった。歩こうとするとふらついてよろけそうになった。
既往歴:20年前から高血圧。
家族歴:父親が高血圧。
現 症:意識は清明。身長165cm,体重72kg。体温36.2℃。呼吸数20/分。臥位で脈拍84/分,整。血圧180/90mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知せず,圧痛や抵抗を認めない。知能は正常である。頭痛はない。失語・失行・失認を認めない。瞳孔径は右2mm,左5mm。瞼裂は右で狭く,右眼球陥凹を認める。前額部や胸部の発汗は左で目立つ。右の難聴,右末梢性顔面神経麻痺,右への側方注視麻痺,眼振および右上下肢の小脳性運動失調を認める。視力,眼底所見,対光反射,眼球の輻湊に伴う縮瞳反応,四肢筋力,触覚,深部感覚および四肢の深部腱反射は正常である。構音障害,嚥下障害,病的反射および不随意運動を認めない。
入院時検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球430万,Hb 14.5g/dL,Ht 41%,白血球6,200,血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL,アルブミン4.9g/dL,尿素窒素8.0mg/dL,クレアチニン0.7mg/dL,AST 24IU/L,ALT 19IU/L,LDH 270IU/L(基準176~353)。心電図と頭部単純CTとに異常を認めない。
 病変はどこにあるか。

正解
c
国試正答率
91%

Assessment
①突然めまいと嘔吐 ⇒ 血管障害が疑わしい
②瞳孔径右2

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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