問題番号 : 101G54

49歳の女性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。3年前からRaynaud現象を認め,手指の腫脹に気付いていた。1年前から階段昇降時に息切れを感じ,疲れやすくなった。意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分,整。血圧110/74mmHg。手指硬化を認める。胸骨左縁第4肋間に収縮期逆流性雑音を認める。両下肺野にfine cracklesを聴取する。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下腿浮腫を認める。血液所見:赤沈63mm/1時間,Hb 12.5g/dL,白血球8,600。血清生化学所見:尿酸6.7mg/dL,AST 22U/L,ALT 12U/L,LDH 347U/L(基準176~353),ALP 178U/L(基準260以下)。CRP 1.4mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.46,PaO2 54.0Torr,PaCO2 36.2Torr。心電図では右軸偏位,Ⅱ,Ⅲ,aVFに肺性Pを認める。胸部エックス線写真では両下肺野に間質影を認める。
まず行うのはどれか。

正解
a
国試正答率
90%

Assessment
画像を上に示す。
Raynaud現象,手指の腫脹,手指硬

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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