問題番号 : 101E23

本問は,101E22~24の連問の一部です。

61歳の男性。複視と歩行障害とを主訴に来院した。
現 病 歴:今日の午前10時ころ,会議中に突然物が二重に見え,右上下肢が動かしづらいことに気付いた。様子をみていたが改善しないため午後5時に来院した。
既 往 歴:10年前から糖尿病で,5年前からインスリンで加療中である。6年前から高血圧で加療中である。2年前に突然,右上下肢が動かしづらくなり,歩く時ふらつく症状があったため入院したことがある。それらの症状は数日で消失し,1週間で退院した。
家 族 歴:兄と姉とが高血圧で加療中である。
現  症:意識レベルはJCSⅠ-1。顔の表情は正常。身長165cm,体重52kg。体温36.2℃。臥位で脈拍84/分,整。血圧156/80mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で,圧痛と抵抗とを認めない。肝・脾を触知しない。右側方視で左眼は内転できず,右眼に水平眼振を認める。左側方視では両眼とも正常に動く。輻湊と垂直方向の眼球運動とは正常である。右上下肢の筋力低下と深部腱反射亢進とを認める。起立・歩行障害を認める。四肢に不随意運動はなく,頭痛,失語・失行・失認,項部硬直,顔面筋麻痺および聴力障害を認めない。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖1+。血液所見:赤血球495万,Hb 16.0g/dL,Ht 44%,白血球6,500,血小板25万。血清生化学所見:空腹時血糖240mg/dL,HbA1c 8.6%(基準4.6~6.2),総タンパク6.9g/dL,アルブミン4.8g/dL,尿素窒素9.2mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,AST 18U/L,ALT 14U/L。心電図と頭部単純CTとに異常を認めない。
診断に最も有用なのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
①右上下肢上位運動ニューロン障害:筋力低下,深部腱反射亢

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る