問題番号 : 101D39

本問は,101D39~40の連問の一部です。

8歳の男児。意識障害のため搬入された。
現病歴:自転車で坂を下っていて転倒した。「頭が痛い」と泣いて家に帰ったが,転倒1時間後から傾眠傾向となった。
既往歴:4歳時に小児喘息と診断されたが治療は受けていない。
現 症:意識障害を認め,痛み刺激で開眼する。身長129 cm,体重30 kg。呼吸数22/分。脈拍112/分,整。血圧102/64 mmHg。瞳孔径:右2 mm,左4 mm。対光反射は左で減弱している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球471万,Hb 12.5 g/dL,Ht 40%,白血球12,000。血清生化学所見:AST 28 IU/L,ALT 25 IU/L,アミラーゼ90 IU/L(基準37〜160)。動脈血ガス分析(自発呼吸,酸素3 l/分投与下):pH 7.24,PaO2 228 Torr,PaCO2 54 Torr,HCO3-22 mEq/L。
直ちに頭部単純CTが行われた。その写真を示す。
診断はどれか。

正解
d
国試正答率
80%

画像診断
上画像参照。
皮下血腫を認める。同側にiso to high(等〜高

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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