問題番号 : 101D32

本問は,101D31~32の連問の一部です。

35歳の女性。動悸を主訴に来院した。医療面接の一部を以下に示す。
医師 「それでは,2か月前から胸がどきどきするようになったのですね。最初のうちは仕事が忙しいせいかなと思っていたけれど,どきどきする感じは徐々に強くなっているということですね。またこの動悸はベッドに入ってからの方が強く感じるとおっしゃいましたね。食欲はあるのに,体重は2か月で2 kg減ってしまったということでよろしいですか」
患者 「そうです。歩いているときより寝室に行ってからの方が強いのです」
医師 「2か月前までにも,同じようなことはありましたか」
患者 「ありません。高校1年の時に体育館の集会で,呼吸が速くなって,手がしびれ,息が苦しくなって救急車で運ばれたことがあります」
医師 「お仕事を伺ってもよろしいですか」
患者 「営業の仕事です」
医師 「この2か月の間,どこか医療機関に行ってみましたか」
患者 「これまでは気のせいかなと思って,ほったらかしでした」
医療面接に続いて,①脈拍測定,②結膜の観察,③リンパ節の触診,④甲状腺の触診,⑤頸動脈の触診の順に行った身体診察の写真(①〜⑤)を示す。
手技として適切でないのはどれか。

正解
e
国試正答率
95%

選択肢考察
(解答率:○a 0.9%,○b 0.5%,○c 1.3%,○d 2

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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