56歳の男性。物忘れとふらつきとを主訴に来院した。3か月前から物忘れが始まり,歩行時にふらつくようになった。性格的には元々おとなしい人だったが,1か月前から怒りっぽくなり,時々興奮することに家族が気付いた。最近,物を持とうとすると,右手がピクピク震えるようになった。5年前から肝硬変を指摘され,食事療法を受けている。認知症の家族歴はない。意識は清明。身長168cm,体重62kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。脈拍76/分,整。血圧130/76mmHg。貧血と浮腫とはない。心音と呼吸音とに異常を認めない。見当識障害,四肢の筋強剛,右上肢のミオクローヌス,四肢の深部腱反射亢進,右手の把握反射および歩行失調を認める。運動麻痺はない。尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球474万,Hb 14.6g/dL,Ht 40%,白血球3,500,血小板10万。血清生化学所見:総タンパク6.2g/dL,アルブミン3.7g/dL,尿素窒素9.2mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,AST 55U/L,ALT 40U/L,LDH 460U/L(基準176~353)。脳波を示す。
最も考えられるのはどれか。