問題番号 : 101A16

67歳の女性。咳嗽を主訴に来院した。1か月前から,夕方から夜にかけて咳嗽が出現し,近医で鎮咳薬の投与を受けたが改善しない。喫煙20本/日を40年間。意識は清明。身長156cm,体重45kg。体温36.5℃。脈拍64/分,整。血圧128/98mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。尿所見:タンパク(-),糖(-),潜血(-)。血液所見:赤血球348万,白血球5,300,血小板38万。血清生化学所見:AST 31U/L,ALT 24U/L。CRP 0.8mg/dL。胸部エックス線写真(A)と胸部造影CT(B)とを示す。入院後の精査で扁平上皮癌と診断されたが,胸郭外病変はない。全身状態は良好である。
治療法として最も適切なのはどれか。

正解
e
国試正答率
60%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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