問題番号 : 101A13

58歳の男性。発熱を主訴に来院した。3か月前から37℃ 台の微熱,全身倦怠感および食思不振を自覚し,体重が5kg減少した。1週前から乾性咳嗽と息切れとが出現し,増悪してきた。3日前から38℃ を超す弛張性の発熱が連日続いている。多数のパートナーとの性的接触があった。意識は清明。身長165cm,体重53kg。体温38.7℃。脈拍84/分,整。血圧130/80mmHg。心雑音は認めない。両側背部に吸気時の軽度のcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。皮膚所見も正常である。血液所見:赤血球331万,Hb 9.9g/dL,Ht 29%,白血球5,300(桿状核好中球5%,分葉核好中球40%,好酸球14%,好塩基球0%,単球13%,リンパ球28%),血小板14万,CD4陽性細胞数213/μL(基準800~1,200)。LDH 380U/L(基準176~353)。CRP 9.8mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.50,PaO2 63Torr,PaCO2 32Torr。胸部エックス線写真で左肺に淡い浸潤影を認める。気管支鏡下肺胞洗浄液細胞診所見〈Grocott染色標本〉を別に示す。
肺病変に対する治療として適切なのはどれか。

正解
a
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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