問題番号 : 100F19

33歳の男性。左胸痛と呼吸困難とを主訴に救急車で搬入された。昨夜出現した胸痛は明け方から増強し,呼吸困難も自覚するようになった。3年前にも胸痛があったが自然軽快した。意識は清明。身長167cm,体重53kg。体温36.9℃。呼吸数24/分。脈拍96/分,整。血圧116/78mmHg。左下肺野で呼吸音は消失している。血液所見:赤血球380万,Hb 11.2g/dL,Ht 38%,白血球13,300。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.40,PaO2 70Torr,PaCO2 31Torr。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを示す。
診断はどれか。

正解
c
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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