問題番号 : 100D43

本問は,100D43~44の連問の一部です。

78歳の女性。夜間の呼吸困難のため救急車で搬入された。
現 病 歴:2年前から労作時の息切れを自覚していた。昨晩,就寝2時間後息苦しくなり,ふとんの上で座ると少し楽になるものの,息苦しさが持続している。
既 往 歴:56歳から高血圧症で加療中である。
現  症:意識は清明。身長154cm,体重60kg。体温36.6℃。呼吸数24/分。脈拍108/分,整。血圧184/110mmHg。貧血と黄疸とを認めない。頸静脈怒張を認めない。心音は奔馬調律。両側下肺野にcoarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:比重1.024,タンパク(-),糖(-),潜血(-),沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球360万,Hb 12.2g/dL,Ht 35%,白血球8,900,血小板19万。血清生化学所見:尿素窒素24mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,AST 28U/L,ALT 30U/L,LDH 317U/L(基準176~353),CK 108単位(基準10~40),Na 139mEq/L,K 4.5mEq/L,Cl 105mEq/L。胸部エックス線写真を示す。
診断はどれか。

正解
e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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