問題番号 : 100D9

72歳の女性。昨日から38℃ の発熱があり,呼吸困難を主訴に来院した。高血圧のため,降圧薬を服用中である。意識は清明。身長155cm,体重48kg。体温37.5℃。呼吸数32/分。脈拍100/分,整。血圧120/80mmHg。胸部聴診上,右背部にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:Hb 13.0g/dL,白血球9,000。血清生化学所見:血糖125mg/dL,Na 135mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 98mEq/L。CRP 11.0mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.48,PaO2 76Torr,PaCO2 32Torr,HCO3 20mEq/L。胸部エックス線写真で右下肺野に浸潤影を認める。
この患者の入院適応の判断で最も重要なのはどれか。

正解
c
国試正答率
90%

Assessment
急性の発熱,呼吸困難,coarse cracklesがあ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る