問題番号 : 100C26

本問は,100C25~27の連問の一部です。

55歳の男性。激しい胸痛のため救急車で搬入された。
現 病 歴:1週前から階段を昇るときに前胸部痛を自覚したが安静にて消失するため放置していた。今朝から激しい前胸部痛が出現し持続している。
既 往 歴:48歳から脂質異常症で加療中である。
現  症:意識は清明。顔面は苦悶様である。体温36.6℃。呼吸数25/分。脈拍64/分,整。血圧144/96mmHg。貧血と黄疸とを認めない。皮膚は冷汗をかき湿潤である。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:比重1.018,タンパク(-),糖(-),潜血(-),沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球520万,Hb 16.7g/dL,Ht 50%,白血球10,400,血小板26万。血清生化学所見:尿素窒素28mg/dL,クレアチニン1.1mg/dL,AST 55U/L,ALT 20U/L,LDH 350U/L(基準176~353),CK 680U/L(基準10~40),Na 144mEq/L,K 4.2mEq/L,Cl 106mEq/L。心電図(A)を示す。
心エコー検査中に意識が低下した。そのときの心電図(B)を示す。
行う処置はどれか。

正解
c
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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