問題番号 : 18303854

 50歳の女性。咳と呼吸困難を主訴に来院した。今朝,咳と痰を認めた。仕事中に突然,悪心が出現したために早退した。その後,咳が激しくなり,呼吸困難が出現した。体温39.0℃。身長155cm,体重50kg。呼吸数22/分。脈拍90/分,整。血圧130/60mmHg。胸痛はない。胸部X線写真では肺に浸潤影を認める。これまでに病気にはかかっていない。今年はインフルエンザワクチンを接種している。この1か月間で温泉に行っていない。気管支喘息の既往はない。喫煙歴はない。ペットは飼っていない。聴診で断続性ラ音(coarse crackles)を認める。血液所見:白血球16,000。喀痰Gram(グラム)染色標本を示す。
 病原体として考えられるのはどれか。

正解
d
正答率
94%



診断:肺炎球菌肺炎

[1]
選択肢考察<

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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