問題番号 : 18302270

 72歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。昨夜は臥床できないほどであったという。20年前より糖尿病と高血圧で通院している。3か月前に心房細動を指摘された。3週前より労作時の呼吸困難を自覚している。身長152cm,体重62kg。体温36.7℃。呼吸数20/分。心拍数96/分,不整。血圧142/86mmHg。心尖部にLevine(レバイン)Ⅱ/Ⅵ度の収縮期雑音とⅢ音を聴取した。両側下肢に浮腫を認める。12誘導心電図と胸部X線写真を示す。
 考えられるのはどれか。

正解
a
正答率
59%


Assessment
起坐呼吸を伴った呼吸困難は,気管支喘息発

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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